くみあいニュース1999年度第3号 |
「独立行政法人制度と国立大学の今後のあり方――これまでの取り組みと今後の対応」
第1講演は「イギリスのエージェンシーと日本の独立行政法人」(笠京子氏,香川大学法学部)で,モデルとなったイギリスのエージェンシーとの比較に立ち戻って,日本の独立行政法人の理解をしよういうものでした.日本の独立行政法人がイギリスのエージェンシーと異なるおもな点は,イギリスが「効率化」を最優先課題にしたのに対して日本のそれは「人員削減」であること,イギリスでは幅広い対象に課したのに対して,日本では調査研究,サービス行政のごく一部が対象となっている点などとのことです.さらには,日本の国立大学に独立行政法人を導入するかいなかについては,藤田論文(ジュリスト1156:109-122)とも関連させて,選択肢としては,現状,独立行政法人化,別個の形態の法人が考えられ,これを好機であるとと考えて,1年の間に良い案をだすべきだと述べられました.
第2講演は,「授業改革とファカルティーディベロップメント--北海道大学の試み」(細川俊幸氏,北海道大学高等教育機能開発総合センター)でした.北大における全学科目に関して,どのような組織で臨みどのような「ファカルティーディヴェロップメント」を実施しているかなどについて紹介がありました.とくに,大学教員の「授業法」に対する意識の低さをどのように改善していくかについて,取組みが報告されました.
第1分科会は,「大学教育改革の現状と未来」というテーマで,4本のレポート(教養教育,カリキュラム編成,教員養成系×2)が,第2分科会は,「大学組織の改革と大学の活性化」というテーマで,4本(事務一元化,学長選挙×2,環境問題への取り組み)のレポートが発表され,議論がされました. 島根大学からは,第2分科会において,「島根大学での学長選挙への取り組み-大学自治のしくみとしての学長選挙-」(長山)を発表しました.
・雑感
学外の教研集会に何度か行かせてもらっています.
毎回,報告数の少なさや問題意識のずれ,総括のための討論の時間の少なさにがっかりすることの連続です.今回は,「大学自治」「大学の活性化」をテーマに,密度の高い議論が...と思ったのですが,やはり ??? です.うちの報告は,結構いい物ができたとおもって持っていったのに,反響の少なさにがっかりです.
年に1度や2度の教研集会では限界があります.そこまでにどのようなコミュニケーションをとって,問題意識を共有化し,戦略を考え戦術を練り,成果を報告しあう,といったことをしなければいつまでもこの時流に流される感じは消えないと思います.
そこらへんの作戦も考えなくっちゃ,という思いをいだいて帰ってきました.
がんばりましょ.