「島根大学将来計画委員会独立行政法人化問題検討特別委員会
「島根大学における独立行政法人化の問題点整理(シミュレーション)」に対する
教職員組合中央執行委員会の検討内容
組合では、現在、島根大学の「独立法人化」問題と「文系学部再編」問題とを大きなテーマにして検討を重ねています。独立法人化問題では、昨年実施した組合アンケート「意識調査2000」の結果を基軸にして、他大学での検討報告書等も渉猟のうえ、組合版島大構想を練っているところです(この問題に関する連続学習会が予定されていますので、是非ご参加ください)。
組合版構想案を立ち上げるにあたって、避けて通れないのが独立行政法人化問題検討特別委員会による「島根大学における独立法人化の問題点整理(シミュレーション)」の検討です。組合でも、シミュレーションに関する意見募集を行いましたが、いかにも時期が悪く、目立った反応が返ってきていません。しかし、このシミュレーションが十分な議論も経ないまま、どんどん先に進み、既成事実化することも懸念されます。そこで、中執において、みなさんの議論のきっかけとなれば幸いと、先日の中執会議において短時間ながら集中した議論を行いました。そこで出された多くの意見を、論点ごとに仕訳したうえで、その概要をここにお知らせします。なお不十分な分析もあろうかと思いますし、まるで気がついていない重大点の見落としも考えられますので、ご意見を組合ボックスにメール等でお送りいただきますれば幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
「独法化シミュレーション」の基本的立場について
1
シミュレーションのスタンスが、趣旨と文面とでは違っているように思え、明瞭ではない。独立法人化による問題点を明らかにするという趣旨であるが、必ずしも問題点が明確化されておらず、むしろ独立法人化への動きに飲み込まれる内容となっている。大学審答申の受け売り的な指摘が多く、独立法人化の問題とは整合していない。また、理念において、研究教育が一体化されており、教育重視への対応が見られず、その具体的な方針も定まっていない。
2
シミュレーションといいながら、「独立法人化」についてしっかり勉強しないで議論を進め、大学審答申に応じることのみとなっている。果たしてどこに「独立法人化」への対応が明確に書かれているのであろうか。独立法人化と、これまで島根大学が築き上げてきたさまざまな価値の流れとを区別して、議論がなされなければならない。島根大学が独自に培ってきたものを明確にし、これをさらに向上させるあるいはこれに合致する形態か、矛盾する形態か、その形態を明らかにすることがシミュレーションではないのか。
3
近時大阪大学が公表した「理念」のように、「島根大学のシュミレ−ション」作業も理念と目的を一緒にするのではなく、理念をまず明確にする必要がある。その際に島根大学(島根県、松江市)が築いてきた知的遺産を継承する意味で具体的に総括・点検し、それを理念に盛り込む必要がある。
4
朝日新聞の記事にもあるように、独立法人化の論議は制度論ばかりで、大学の自治や大学そのもの論といった本質論、つまり大学改革論がすっかり抜け落ちている。独立法人化したらどうなるか、通則法に則るとどうなるか、は制度論であって、東京大学報告書のような、法人化によると大学改革はどうなるのかといった主体性のある議論が本筋である。
5
学長交渉での「シミュレーションに取り組むなかでできるところがある。すぐに取り組む」という発言があったが、シミュレーションの趣旨とは合致しない。独立法人化への対応も、大学審答申への対応と同じレベルであり、むしろ後者を推進するきっかけにすぎないとの認識では困る。
6
さまざまな委員会ができて錯綜した議論と権限のなかで、答申議論と同じような委員会・メンバーに独立法人化のシミュレーションの検討も委託され、答申論議の延長線上で独立法人化を論議している状況ではないのか。
「独法化シミュレーション」の具体的内容について
7
理念・目的に続いて目標・計画が公表されたが、その基本的考え方がわかりにくい内容になっている。各項目の最初に基本的な考え方をまず提示してほしい。東大の報告書は各項目毎に基本的な考え方(枠組み)を提示しているので、理解しやすい。
8
中期計画については通則法に否定的な立場を示しているが、「現時点では」などの限定がかかっており、実際の運用がどうなるのか、疑問である。また、教育についても、FDなど方策が示されているものの、具体的にどうなるのかがわからない。
9
東京大学報告書と比較して、教授会自治が否定されるような内容であり、大学審答申に近く、教職員アンケートとも違った内容となっている。
10
大学の自治は学部自治であり教授会自治であるという点が希薄で、現在行われているような委員会方式にとって変え、委員会トップダウンを肯定するものである。
11
地域に開かれたとはいうものの、その中身は産学協同の話ばかりで、例えば、教育学部がこれまで地域に対してなしてきた人材養成といったことにはまったく言及されていない。非常に偏った見方である。
「独法化シミュレーション」への今後の対応
12
一方的に意見を求めてこれが開示されることもなく、またこれに対する回答が返ってくる保障もないような、場の設定の仕方は明らかにおかしい。質問として回答義務のある形をとって、意見を述べるべきである。
13
シミュレーションについて、その中心的課題にしぼって検討する勉強会の場を設ける。そこでは、シュミレーションへの対案を、特定の項目だけであっても積極的に出していくことが必要である。組合の基本姿勢は大学として国民との関係において果たすべき役割を明らかにする「憲章」、いわば公約をうち立てることができる、そうした国民への責務を果たしうる、充実した内容の対案を示すということである。
以上